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    幸せのひみつ 全曲解説

    またすごいアルバムができちゃった〜。
    ふつう1アルバムでシングル1曲くらいなのに、今回は半分くらいがシングルだ。
    たなかしの作のジャケもむっちゃ可愛いでしょ。
    今回はツインアルバム、17th「幸せのひみつ」(キアロ=光)、18th「キャラバン」(スクーロ=影)をだす。
    「幸せのひみつ」は10月、「キャラバン」は12月発売の予定だ。

     

    ――― 歌詞ページはこちら ―――

  • 1. Destiny

    1曲目から「PUZZLE」級の横綱だね。
    「不幸や不運が悪いこと」なんて誰が決めたんだ。
    常識はぜんぶ「スレービングソサイエティ(奴隷養成社会)」が生み出した洗脳だと考えたほうがいい。
    ホピ族には 「不幸」や「不運」という言葉はなく、彼らはそれを魂を成長させる「贈り物」と呼ぶ。
    オレたちは魂を成長させるために、平和に満ちあふれた天国からこの世というディズニーランドにくる。
    「不幸」や「不運」は人生最大の晴れ舞台として生まれる前に自分で用意したものなんだ。
    堂々と胸をはって「不幸」を受け止めなさい。
    「超えられぬ試練は与えられない」
    あなたはそれをいただけるほどに魂を成長させた勇者なのだから。

     

    2. EGG

    チョーかわいくて、変則的なメロディー実験に挑んだ傑作だ。
    あなたが愛する人と出会えたことは70億分の1という奇跡なの。
    それなのにあなたは奇跡に感謝せず、常識と比べて、なにがたりない、もっとこうしてと要求する。
    これじゃ三日間でふられるわな。
    3日「しかない」じゃなくて、3日「もある」という思考にパラダイムシフトしろ。
    つねに「起こった出来事を最大限に感謝する」フォーカシングで生きると、どんなつらいときも世界の本質に気づく。
    世界はいつも喜びに満ちているってね。

    3. 青い夏

    レアな「青春ソング」である。
    この歌はC調からA調へというアクロバットな転調をくりかえす。
    たぶん3、4年前から毎回候補にあがりながりながらアルバムにはずされきた。
    アレンジャーのリュウスケが「AKIRAさんのアルバムに10年関わってきてやっとこの歌をアレンジできる境地に達しましたよ」という。
    甲子園で流れるそうな「青春ソング」でありながら、永遠の輝きがこめられている。
    社会人一年生とか、大人社会と葛藤する若者に聴いてほしいな。

  • 4. 向日葵

    タオ島でめしを食いに出るときは3万円のイヤホーンでニューアルバムを聴き続けているのだが、毎回「向日葵」聴くと泣いちゃう。
    「おまえ作者だろう!」と突っ込まれそうだが、向日葵の純粋で真摯な生き方が胸を打つのである。
    必死に生きてる人のひたむきな姿を思い浮かべるたびに、タイラーメンをすすりながら嗚咽しているアホなオレなのである。
    これは一見ラブソングを装いながら、途轍もなくスケールの大きい超名作だ。
    リュウスケのアレンジとさくらこのコーラスも最高なので、そこも聴いてほしい。

     

    5. シーサー

    長年沖縄ライブでしか聴けなかった幻の曲である。
    門や屋根にとりつけられる魔除けの獣で、サンスクリット語の獅子、シンハーからきている。
    夫婦一対で宇宙の始まりの音と終わりの音「阿吽」(オーム)の形をあらわす。つまり2匹のシーサーの間に無限の宇宙がある。
    お土産用の焼き物も多いが、大きなものは狛犬のような御影石ではなく、セメントで作られている。
    いじけるシーサーの哀愁がたまらない。
    この歌をyoutubeで聴いて笑いつづけ、ガンを治してしまった人もいるので、シーサー様のご利益は絶大だ。

     

    6. 台所

    AKIRA歌200曲の中でもっとも「完璧な歌」である。
    歌詞メロディともに装飾や無駄がまったくなく、各パートが端正な造形美をもち、全体が完璧な美しさを備えている。
    単純でありながら人間存在の根底を描き出す歌詞は「生の裸の姿」で背筋が怖気立つ。

  • 7. コトバノナイフ

    人類は約250~150万年前のホモ・ハビリス時代から言葉を使いはじめ、5万年前言語によって爆発的な進化を遂げた。
    しかし我々は言葉のナイフという武器を使ってどれだけたくさんの人を傷つけてきただろう。
    オレ自身が言葉を使う職業をしているので、言葉のもつ威力を身にしみて感じている。
    誰もが日常でなにげなく話している会話でも、子供に対する言葉でも、自分の言葉が相手に与える影響力を自覚してほしい。
    そして「言葉のナイフ」を「言葉の包帯」に変えてほしい。

     

    8. 人の想いは宝物

    第一次世界大戦後のドイツで孤児を集めた実験が行われた。ミルクやおむつや風呂などの事務的な待遇はするが、目を見たり話しかけたりスキンシップなど人間的な行為を一切禁止される。成長した孤児たちのほとんどが障害をもったという。
    実験の結果、人は食物で生きているのではなく、愛情や想いを食べて生きていることがわかった。
    オレが幼い頃、父は酒に酔って母を殴っていた。
    母が61歳で亡くなった時、父はエレベーターのなかで気を失なうほどのショックを受けた。
    以来朝夕仏壇の母の写真に30分も話しかけている。
    おそらくその想いは天国の母に届いているだろう。

  • 9. 名もなき命

    ついに「家族」や「パズル」を超える最高傑作が生まれてしまった。
    これこそ10年かけてオレが到達した究極のメッセージだ。
    聴くよりも自分で歌ってみるとこの歌の魔力が実感できる。
    歌っていると熱い想いが突き上げてきて、誰かにその想いを伝えたくなっちゃう。ライブではいつもラスト4行で感謝がこみ上げてきて泣いちゃう。
    どんどん歌ってみて。

     

    10. Merry christmas children

    天が愛でし七色の美声、桜子の変幻自在なコーラスに腰を抜かすだろう。
    これは世界で唯一神を否定したクリスマスソングである。
    親鸞の悪人正機説にもあるように宗教本来の役割は人を裁くことではなく、人間のあやまちを赦すことである。
    そして目の前の悩めるものや弱きものに救いの手を差し伸べることだ。
    聖書にもこう書かれているではないか。
    「富める者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、 もっとやさしい。」
    「もし私たちが自分の罪を言い表わすなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。」
    「心をいれかえて幼な子のようにならなければ、天国にはいること はできないであろう。この幼な子のように自分を低くする者が、天国でいちばん偉い のである。」
    15年くらい前に作られた宗教歌なのに永遠の普遍性をもっている。

     

    11. パートナー

    自分を大切にしていない人は微かな腐臭を放っているという。
    人間は無意識でその臭いを嗅ぎ分けてしまう。
    「この人は自分で自分を大切にしていないのだから、まわりもこの人を大切に扱わないでいい」
    かくて自分を大切にしない人は、他人からも大切にされない。
    自分を大切にしている人は微かな花の香りを放ち、多くの人が惹きつけられる。
    かくて自分を大切にしている人は、他人からも大切にされる。
    徹底的に自分と両想いになりなさい。

     

    12. 幸せのひみつ

    勇者タクヤは滑脳症という脳にシワのない難病である。
    歩けない、話せない、自分で食べれないなどの障がいをもち、てんかんの発作に苦しめられる。
    「この子は言葉言葉をもっていない」と思っていたお母さんは「指談」(微細な指の動きで言葉を読み取る方法)で、はじめてタクヤの言葉を知る。
    タクヤは言葉をもたないどころか、天才詩人だったのだ!
    5歳のタクヤ(現在小学3年生)はこんな言葉を伝えた。

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    幸せのひみつ

    2018年10月リリース。12曲。2500円。